2022.10.18 第15回(令和3年度)

サンプルイメージ特 別 賞

【受賞者】

長久保赤水顕彰会

【受賞理由】

長久保赤水顕彰会は、茨城県高萩市出身で江戸時代の地理学者、長久保赤水(1717~1801)の功績をについて広く発信している。長久保赤水は、茨城県高萩市出身で、水戸藩の儒学者として藩政への学術的・技術的提言を行うとともに、地理学者として『改正日本輿地路程全図』(1780)、『改正地球万国全図』(1785)を刊行し、国内外で広く活用されている。前者は、国の重要文化財に指定(2020)されている。実測図でないものの、伊能忠敬の『大日本沿海輿地全図』より 30 年以上前に、幕府勅撰の日本図や諸国の国図を基に編集され、経緯度線も初めて描かれた。刊行後も文献や旅人からの情報に基づき改定を重ねたことは、今日のリアルタイム地理空間情報の原型といえる。これらの地図には、日本の北辺や大陸との間にある島嶼が、今日の知見からみても的確に描かれており、地図史としても地政学的にも意義も大きい。このように、長久保赤水の功績とこの地図の科学史的・地政学的な意義とを一般向けに広く普及啓発した活動は、高く評価できる。