2025.06.18 第19回(令和7年度)

サンプルイメージ論 文 賞

【論文】

黒木貴一(2023)「地形変化を判読するための剰余地図とその特性」地図,61巻1号,30-38.通巻241号に掲載【論説】

【受賞者】

黒木貴一 会員(関西大学)

【受賞理由】

 黒木貴一会員の「地形変化を判読するための剰余地図とその特性」(地図,61巻1号,30-38)は、高精度の数値標高モデルからその取得に用いたLiDARなどの計測技術の精度限界に近い地形変動を効果的に判読するため剰余地図を試作し、現地観察や写真判読あるいは干渉SAR等では判読が困難な微少な地形変化を、剰余地図に表現し掌握する方法とその有効性について検討した論説である。剰余地図とは、標高変化量をある整数で除算した剰余を階級区分で表示した断裁地図である。黒木会員は、2016年熊本地震はじめ近年顕著な自然災害において、日本地図学会だけでなく関連する地球科学系学会における発災直後の現地調査に派遣され、災害の原因となった地形変化等について詳細な報告を公表してきた。これらの地形調査の現場からの課題に応える地図表現とその活用を提示したことは、高く評価される。