2018.11.01 イベント

【第208回例会 G空間EXPO2018 地理情報システム学会・日本地図学会共催シンポジウム
「みちびき時代の新しいナビゲーションを探る」のお知らせ】

日 時 2018年11月17日(土)14:00-16:30
場 所 日本科学未来館内 7階コンファレンスルーム天王星
定 員 90名
パネラー 杉江 弘(元日本航空機長、航空評論家、日本エッセイスト協会会員)
国枝 佳明(独立行政法人 海洋大学学術研究院海事システム工学部門教授)
川鍋 一朗(日本交通株式会社会長、 Japan Taxi社長)
神武 直彦(慶應義塾大学教授、アジア工科大学院招聘教授)
畑山 満則(京都大学防災研究所教授)
コーディネーター 太田 弘(慶應義塾普通部教諭、日本地図学会常任委員)
司 会 小荒井 衛(茨城大学理学部教授、地理情報システム学会企画委員長)


シンポジウム開催の趣旨

いよいよ本年11月より準天頂衛星システム「みちびき」の運用が開始され、「時空間社会=Society 5.0」の時代が到来する。陸上では農業・除雪トラクターの実証実験からダイナミックマップの整備に進み「みちびき」の電波を受信して自動車(個人、タクシー)の自動運転が開始されている。 また、航空では民間航空機のコックピット内でEFB(電子航空図)が次世代のデジタル航空図の運用が始まっている。さらに運航面に当たっても、既 GNSSを用いた航空機の精密最終侵入・着陸システムの実証実験も始まっている。さらに航海においてもECDIS(電子海図)の運用とGNSSの連動で、より安全で効率的な船舶の運用が始まっているという。 今回のシンポジウムでは急速に高精度化が進むデジタル地図と位置情報の環境整備の後にどのような問題が生じるかを従来の運用を熟知する地図のユーザーをパネラーから、新時代を迎えたナビゲーションの将来を検証したい。


パネラー略歴

杉江 弘 昭和44年、慶應義塾大学法学部卒業。同年日本航空に入社しDC-8、B747、エンブラエルE170などに乗務する。首相フライトなど政府要請による特別便の経験も多い。B747の飛行時間では14,051(機長として12,007)時間を記録し、2011年にボーイング社よりそれを記念して設計者のジョー・サッター氏のサイン入りのモデルプレーンを贈られ表彰を受ける。 2011年10月の退役までの総飛行時間(全ての機種)は21,000時間を超える。著書には「プロフェッショナル・パイロット」ほか航空安全に関する著書は多数に上る。
国枝 佳明 昭和57年、神戸商船大学卒業。運輸省航海訓練所入所。練習船航海士を歴任。平成19年独立行政法人航海訓練所練習船船長。平成26年国立大学法人東京海洋大学先端科学技術研究センター教授。平成29年国立大学法人東京海洋大学海洋工学部教授一級海技士(航海) 、一級海上特殊無線技士 、一級小型船舶操縦士 、船舶保安統括者(CSO) 、船舶保安管理者(SSO)、著書に「図解 港則法」などがある。
川鍋 一朗 1993年、慶応大学経済学部卒業。1997年、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。ケロッグ卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパンに入社し、コンサルタントして活躍。2000年6月、日本交通株式会社に入社。2001年に専務、2004年に副社長を経て、2005年、代表取締役社長に就任(業界最年少の34歳時)。2007年末には、自ら1ヶ月、タクシー運転手を経験。現在は会長。東京と全国のハイヤー・タクシー協会の会長、「全国タクシー」アプリ運営会社” Japan Taxi ”の社長。社団法人東京乗用旅客自動車協会・副会長著書に、『タクシー王子、東京を往く。-日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」』(文藝春秋刊)がある。
神武 直彦 1998年、慶應義塾大学大学院理工学研究科修了後、宇宙開発事業団(NASDA)に入社。 H-ⅡAロケットの研究開発と打ち上げに従事。欧州宇宙機関(ESA)を経て、宇宙航空開発研究機構(JAXA)主任開発員。宇宙機搭載ソフトウェアの独立検証・有効性確認の統括やアメリカ航空宇宙局(NASA)、ESAとの国際連携に従事。2009年度より慶應義塾大学にて社会技術システムのデザインやマネジメントの教育研究に従事。日本スポーツ振興センターハイパフォーマンス戦略部アドバイザーを歴任。「社会課題解決型宇宙人材育成プログラム」のデザインで、グッドデザイン賞2017を受賞。アジア工科大学院招聘教授。測位航法学会理事。博士(政策・メディア)。
畑山 満則 東京工業大学大学院総合理工学研究科 博士後期課程修了。阪神・淡路大震災時に,京大防災研が行っていた神戸市長田区役所の支援活動に参加し、災害廃棄物処理の受付・工程管理ソフトをGISベースで開発。以来、ICTを用いた防災や災害対応に関する研究を展開中。東日本大震災では、支援活動として栃木県那須烏山市のり災証明発行システムを開発。また、研究の一環として南三陸町の養殖漁業の復興支援システムを開発中。


コーディネーター

太田 弘 横浜国立大学大学院工学研究科博士課程修了。日本地図学会常任委員、企画委員会委員長、同「地図学のアウトリーチ専門部会主査、慶應義塾普通部教諭、慶應義塾大学教養研究センター所員、フェリス女学院大学講師(非)、専修大学講師(非)、専門は地図学、地図・GIS教育、修士論文は「ICAO(国際民間航空機関)の航空用図」であった。航空図、海図はじめ多くの主題図、一般図の地図を利用したコミュニケーションについて研究。著書に「航空図のはなし」(成山堂書店)、「地球診断」(講談社)ほか、教科書中学校社会科地図帳(帝国書院)など教科書も執筆。(講談社)、『探偵コナン「地図の謎」』(小学館)を監修。教育学修士(地域研究)、学術博士(工学)。


司会

小荒井 衛 1984年茨城大学理学部地球科学科卒、2009年茨城大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。1986年建設省国土地理院に入省。建設省、環境庁、科学技術庁への出向のほか、測図部写真測量技術開発室長、企画部地理情報システム推進室長、地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室長等を歴任。国土交通大学校測量部長を経て、現在茨城大学理学部地球環境科学コース教授。